塗装で目指すこと
表面の保護と、美観の回復。
塗装に適した屋根材と状態なら、補修・下地調整のうえで再塗装を検討します。製品や既存の塗膜に合う材料選びも大切です。
住宅・屋根材のイメージ
01 / THE ANSWER
塗装は表面を整える工事。雨漏り修理や下地の交換とは別です。まず屋根材の種類と傷みを確認し、塗装・カバー工法・葺き替えを比較します。
このページは、住宅に使われる薄い板状の「化粧スレート屋根」が対象です。天然石のスレートや瓦・金属屋根とは、適した工事が異なります。
塗装で目指すこと
塗装に適した屋根材と状態なら、補修・下地調整のうえで再塗装を検討します。製品や既存の塗膜に合う材料選びも大切です。
塗装だけではできないこと
雨漏りの原因、屋根材自体の割れ・層状の剥がれ、下地の傷みは別に確認します。塗り回数を増やしても、屋根の内部は交換できません。
メーカー資料の対象はグラッサシリーズです。すべてのスレートに同じ点検・塗り替え時期を当てはめず、製品名と維持管理方法を確認します。
ケイミュー|カラーベスト・グラッサシリーズの維持管理(PDF)「見た目がきれい」と「雨漏りしない」は、同じ確認ではありません。屋根材・防水紙・板金の納まりなど、屋根全体の状態から判断します。
このページのイラストは、仕組みを伝えるための説明図です。実際の施工写真やメーカーの施工図ではなく、厚さ・隙間・重ね幅などの施工仕様は示していません。
田島ルーフィング|安心できる下葺材日本ペイント|ファインパーフェクトベスト02 / INSIDE THE ROOF
屋根材が雨を受け流し、隙間から入った水には下葺き材が備えます。普段は見えない層にも、それぞれの役割があります。
雨水を、屋根の勾配に沿って軒先へ。
01 / 表面を受け持つ
スレートなどの屋根材が日射や風雨を受け、雨水を軒先へ流します。塗り替えるのは、この屋根材の表面です。
塗装の対象は、屋根の表面。02 / 屋根材の下で備える
屋根材の下に敷かれたルーフィング。屋根材の隙間から入る水に対する防水を担います。表面の塗り替えでは、この層は更新されません。
塗装と、防水紙の更新は別の工事。03 / 屋根を支える
屋根材や防水紙を受ける板材です。木材の腐朽(腐り)などがあれば、補修・交換の範囲を先に検討します。上から重ねるだけでよいとは限りません。
内部の傷みは、工法選びに関わる。化粧スレートの重なりが塗料で詰まると、漏水の原因になる場合があります。縁切りは、塗料で塞がった重なりを開き、水の出口を確保する処理です。使用材料の仕様に沿って施工します。
日本ペイント|ファインパーフェクトベスト・塗装仕様と注意事項(PDF)
03 / THREE OPTIONS
どれが最も優れているかではなく、どこまで直す必要があるか。部分補修で対応できる場合も含め、現地調査で選択肢を整理します。
04 / COVER METHOD
雪國建装がおすすめする、次の屋根づくり。
既存のスレート屋根と下地が施工に適していれば、築20〜30年を目安にカバー工法をおすすめしています。今の屋根を残し、その上に新しい防水紙と金属屋根を重ねる方法です。
築年数は計画の目安であり、一律の施工時期・寿命・保証年数ではありません。
新しい金属屋根が、雨水を軒先へ流す。
NEW / 新しく重ねる
新設した防水紙の上に金属屋根材を施工。棟や軒先なども納め直し、新しい屋根面をつくります。屋根形状・勾配・積雪条件などに合わせて材料を選びます。
表面を塗るのではなく、屋根材を新設。NEW / 防水の層を追加する
既存屋根の表面を整え、採用する工法に適した下葺き材を施工します。金属屋根の下へ入った水に備える層です。重ね幅や端部の納まりは製品の施工要領に従います。
塗り替えでは追加できない、下葺き材。EXISTING / 調査して残す
既存屋根を全面撤去せずに残します。ただし、傷んだ野地板を上から隠せばよいわけではありません。必要な調査・補修、既存の棟板金や設備の処理を先に行います。
残せる状態かどうかを、まず確認。漏水・傷み・下地の状態を確認し、必要な撤去・補修を行う。
既存屋根の上へ、工法に適した下葺き材を施工する。
新しい屋根材を固定し、棟・軒先などの納まりを仕上げる。
野地板の腐朽(腐り)など下地の傷みが大きい場合は、撤去を伴う葺き替えも検討します。重量の増加、屋根の形状・勾配、補修歴、太陽光設備なども含めて判断します。新しい防水紙を重ねても、残した古い下地そのものが直るわけではありません。工事後も点検・維持管理は必要です。
ケイミュー|屋根リフォームの工法別の特徴金属屋根なら、どの地域・勾配でも施工できるわけではありません。例えばアイジー工業のスーパーガルテクトには、積雪量などに応じた適用地域・施工条件が定められています。
ご自宅の所在地、屋根の傾き、下地、雪止めなどを確認し、採用する製品の仕様と照らし合わせます。
適用条件の一例です。下の施工動画で同製品を使用しているという説明ではありません。
アイジー工業|改修用施工説明書・適用地域と下地条件(PDF)
ON SITE / 施工動画
雪國建装による、金属屋根カバー工法の施工記録です。
福井県坂井市のアパート改修を紹介する施工動画です。動画内の年数表記は期待値であり、全ての屋根の耐用年数や保証ではありません。
YouTubeで見る元コラムで紹介した、金属屋根を重ねるAT式の施工記録です。屋根材や納まりは、各現場の条件に応じて選びます。
YouTubeで見る05 / FROM OUR JOB SITES
2022年公開の自社コラムに掲載した、雪國建装の施工写真です。ここでは、シーラー(下塗り材)2回・上塗り2回の4度塗りを紹介します。すべての屋根に共通する標準仕様ではありません。


撮影位置・光の条件は異なります。写真は美観の変化を紹介するもので、防水性能や耐久年数の証明ではありません。
下塗り 2回+上塗り 2回
4回それぞれに、役割を。
01 / 下塗り 1回目
洗浄・乾燥・補修を済ませた屋根材に下塗り。素材に合うシーラーで、上塗りを受ける下地をつくります。

02 / 下塗り 2回目
吸い込みや下塗り後の状態を確認し、必要な塗膜を整えます。塗り重ねの条件は採用材料の仕様に従います。

03 / 上塗り 1回目
下塗りの乾燥を待って上塗り。希釈や使用量を守り、仕上げ塗膜を形成します。

04 / 上塗り 2回目
同じ仕上げ材を重ね、色・艶・塗り残しを確認。重なり部分の排水経路も点検します。
調査、洗浄、乾燥、補修、金属部の防錆処理、縁切りなども含めて一つの工事です。メーカーの適合下地・下塗り材・使用量・乾燥条件を確認します。
元コラムで紹介した上塗り材
日本ペイントの2液・弱溶剤系のラジカル制御形屋根用塗料です。材料が高耐候でも、屋根全体の寿命や雨漏り防止を保証するわけではありません。個別の屋根に使えるかは、現在の製品仕様と下地の状態から確認します。
日本ペイント|ファインパーフェクトベスト日本ペイント|ファインパーフェクトベスト・塗装仕様と注意事項(PDF)06 / PLAN BEFORE PAINT
近い将来に屋根全体の更新を予定しているなら、先に塗装する意味を確認します。一方で、塗装に適した屋根を維持したい場合には、再塗装が選択肢になります。
見積もりの考え方を読む元コラムの2022年当時の価格や年数は、現在の見積金額・保証条件として掲載していません。費用は面積、勾配、足場、補修範囲、材料などを確認してご案内します。
07 / Q & A
一律には決まりません。製品の維持管理資料、前回の工事、今の傷みを確認します。築20〜30年は当社がカバー工法を検討する目安で、塗装の期限や屋根の寿命を示す数字ではありません。
塗装の有無だけでは判断できません。屋根材、下葺き材、板金の納まり、補修歴などを確認します。症状がなくても点検は大切ですが、塗装だけで雨漏りを防げるという説明も適切ではありません。
まず漏水原因の調査が必要です。表面の塗り替えを先に決めず、侵入箇所と内部の傷み、必要な補修を確認します。濡れている場所や屋根へ無理に近づかないでください。
雪國建装では、築20〜30年を目安に金属屋根へのカバー工法をおすすめしています。ただし、既存屋根と下地が施工に適していることが前提です。年数だけでは決めず、屋根形状、荷重、既存設備なども確認し、下地の傷みが大きい場合は葺き替えを比較します。
塗り回数は、屋根材の適性や基材の健全性の代わりにはなりません。傷みが進んだ屋根や塗装に適さない製品では、別の方法を検討します。現地調査と材料の仕様確認が先です。
ドローン写真は外観の確認に役立ちますが、屋根材の下に隠れた防水紙や野地板の状態までは確定できません。点検口、漏水履歴、必要な追加調査などを合わせて判断します。
YUKIGUNI KENSOU / FUKUI
鯖江市の本店・福井支店を窓口に、屋根塗装・板金工事をご相談いただけます。
ご自身で屋根には上らず、分かる範囲の写真や図面をご用意いただければ大丈夫です。
EDITORIAL & SOURCES
編集:雪國建装 / 内容・資料確認:
2022年4月10日公開の自社コラムを、現在確認できるメーカー資料と照合して再構成しました。写真は元記事の施工記録、築20〜30年のカバー提案は当社の考え方です。メーカーによる本記事の監修・推奨を示すものではありません。
元記事の「限界年数」「新たに30年安心」などは、一律の寿命・保証として扱っていません。工法・維持管理・保証は、実際の屋根と採用製品の条件で確認します。