雪國建装YUKIGUNI KENSOU

スレート屋根の仕組みから、わかる。塗装と改修の違いを、立体で知る。

屋根の専門ガイド。スレート屋根 しくみから、わかる。屋根の層を分解した住宅模型

01 / INSIDE THE ROOF

屋根の土台から、
ひとつずつ。

屋根は、役割の違う層と部材の組み合わせ。
下地から雨の流れ、端部の納まりへ。
仕組みを知ると、工事で変わる範囲が見えてきます。

雪國建装制作の模式図。厚さ・重なり・水の動きを強調しています。実際の施工写真や施工図ではありません。垂木・留め具・端部などは一部省略しています。

01

野地板のじいた

屋根を支える、下地の面。

赤い輪郭:野地板
野地板と、その下で支える垂木の部材イラスト
野地板の下には、支える垂木があります。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

野地板は、防水紙や屋根材を受ける木の下地。さらに下の垂木などとともに、屋根の土台になります。改修では腐朽・たわみや、留め具が効く状態かを確認します。

傷んだ下地を、上から塗るだけで直すことはできません。

02

防水紙ぼうすいし

隙間から入った雨に備える。

赤い輪郭:防水紙
屋根に下葺き材を張った施工途中の写真
屋根材で隠れる前の下葺き材。カバー工法の施工例です。写真:雪國建装の施工記録

屋根材の下には、下葺き材と呼ばれる防水紙があります。屋根材の隙間から入り込んだ雨水を、建物の中へ通さないための層です。

屋根の表面を塗っても、この防水紙は新しくなりません。

03

屋根材やねざい

雨を受け、軒先へ流す。

赤い輪郭:屋根材
重なりと割れが見える施工前のスレート屋根
外から見える屋根材。重なりと、表面の状態を確認します。写真:雪國建装の施工記録

外から見えるスレートは、日差しや風雨を受ける屋根の仕上げ材。重なりと勾配によって、雨水を低い方へ流します。塗り替えるのは、この屋根材の表面です。

屋根材の重なりや留め付けも、雨仕舞いの一部です。

04

表面を流れる雨

大部分の雨は、屋根の表面へ。

青:雨水の経路 / 緑:防水紙
屋根の面と形を真上から撮影した施工前の写真
上空から見た屋根の面。雨が流れる方向を立体図と見比べます。写真:雪國建装の施工記録

屋根の勾配に沿って、棟側から軒先側へ。屋根材だけでなく、棟・谷・壁との取り合いなども含めて、雨を外へ導く納まりをつくります。

青い動きは、雨水の経路を強調した模式表現です。

05

内側に入った雨

表面の下にも、雨への備え。

青:雨水の経路 / 緑:防水紙
下葺き材を屋根全体に張った施工途中の空撮写真
カバー工法で下葺き材を施工した段階。重なりや端部も確認します。写真:雪國建装の施工記録

風を伴う雨などで屋根材の隙間に水が入ることがあります。その下で備えるのが防水紙。重ね方や端部の納まりも重要で、シートがあるだけで必ず雨漏りを防げるわけではありません。

雨漏りの原因は、屋根材の色や見た目だけでは判断できません。

06

棟むね

屋根の頂部。面と面が出会うところ。

赤:棟の位置
屋根の頂部を覆う棟板金の部材イラスト
屋根の面と面が出会う、頂部の覆い。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

切妻屋根の一番高い、山の線が棟です。スレート屋根では、この取り合いを棟板金などで覆います。屋根の面だけでなく、板金の継ぎ目や留め付け、下の貫板なども確認する箇所です。

棟は場所の名前、棟板金はそこを覆う部材。笠木とは区別します。

この項目の参考資料

07

ケラバけらば

屋根の妻側にある、斜めの端。

赤:ケラバの位置
屋根の斜めの端と下の破風板を示す部材イラスト
斜めの端がケラバ。その下の側面には破風板があります。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

切妻屋根を三角形の側から見たとき、左右の斜めの端がケラバです。水切りなどで、雨が端部から屋根の裏や外壁側へ回り込むのを抑えます。図ではこの端の板金を赤く示しています。

ケラバは屋根の端の場所。直下の側面を覆う破風板とは、指すものが違います。

この項目の参考資料

08

軒先・唐草のきさき・からくさ

雨を落とす先端に、水切りを。

赤:軒先・唐草の位置
金属屋根の軒先にある水切りの部材イラスト
軒先で水を切る、折り曲げた板金のイメージ。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

屋根の流れの下端が軒先です。その先端の水切りは、雨が屋根の裏側へ回るのを抑えます。金属屋根で使う唐草には、屋根材の先端を引っ掛けて固定する役割を兼ねるものもあります。

図は軒先水切りの位置を示す模式図。唐草・軒先水切り・スターターなど、名称や形状は製品・工法で異なります。

この項目の参考資料

09

雨樋あまどい

屋根からの雨を集め、下へ導く。

赤:雨樋の位置
軒樋から竪樋へつながる雨樋の部材イラスト
横で受ける軒樋と、下へ導く竪樋。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

軒先の軒樋で雨を受け、集水器から竪樋へ流します。屋根の水切りとは別の部材です。落ち葉の詰まり、外れ、変形などは排水を妨げるため、地上から分かる範囲を確認します。

高所の清掃や補修は専門業者へ。雪で変形した場合も、支持金具などと合わせて確認します。

この項目の参考資料

10

笠木かさぎ

屋根の棟ではなく、壁の上端の覆い。

赤:笠木 / 緑:下の防水層
パラペットの上端を覆う笠木と下の防水層のイラスト
壁の上端の笠木と、その下の防水層。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

笠木は、パラペットやバルコニーの手すり壁などの上端を覆う部材です。ここでは屋上外周の低い壁を切り出して示しています。下の防水層や壁の上端を風雨から保護します。

笠木だけで完全防水になるわけではありません。継ぎ目・端部・下の防水層を一緒に考えます。切妻屋根の棟板金とは別の部材です。

この項目の参考資料

11

塗装とそう

表面を塗り替える。下の層は残る。

赤い輪郭:塗装
塗装か改修かを検討する前の既存スレート屋根
施工前の屋根材。塗装の適否は、色だけでなく傷み方も確認します。写真:雪國建装の施工記録

適合する屋根材・下地の状態を確認し、補修と塗り替えを行います。防水紙と野地板は既存のまま。美観や表面の保護と、屋根全体の改修は区別して考えます。

再塗装だけで雨漏りが直る、とは考えません。

12

カバー工法

既存の上に、新しい屋根を重ねる。

上側:新しい屋根材と下葺き材
下葺き材の上に金属屋根を取り付けている施工写真
既存屋根の上へ、新しい下葺き材と金属屋根を施工した例。写真:雪國建装の施工記録

既存の屋根を残し、新しい下葺き材と屋根材を重ねる方法です。図は構成の一例。下地の状態、屋根の形・勾配、重さ、地域条件に合うかを先に確かめます。

傷んだ野地板を、そのまま覆ってよいという意味ではありません。

13

葺き替えふきかえ

古い屋根を外し、下から確かめる。

上側:新しい屋根材と下葺き材
屋根材と下葺き材を外し野地板が見える状態の模式イラスト
屋根材を外すと、下地を直接確認できる状態になります。部材イラスト。形状・層構成は模式表現で、施工仕様ではありません。

既存の屋根材と下葺き材を撤去し、新しくする方法です。野地板は露出した状態で確認し、必要に応じて補修・増し張り・交換を計画します。

図では健全な野地板を残す例。必ず全交換するわけではありません。

屋根材と下葺き材の役割:田島ルーフィング

02 / WHAT CHANGES?

塗り替えと、屋根の改修。
変わる範囲を見比べる。

見積書に書かれた工法名だけでなく、
「何を残し、どこまで新しくするか」を確かめます。

REPAINT

塗装

屋根材の表面を塗り替える。

変わる部分
屋根材の表面の塗膜
基本的に残る部分
屋根材・防水紙・野地板
先に確かめること
塗装に適した屋根材か、割れ・層間剥離・下地の傷みはないか。

COVER

カバー工法

既存の上に、新しい屋根を重ねる。

加える部分
新しい下葺き材・屋根材など
基本的に残る部分
既存の屋根材・防水紙・野地板
先に確かめること
下地の健全性、固定方法、屋根形状・勾配・荷重と製品の適用条件。

RE-ROOF

葺き替え

既存の屋根を外して、新しくする。

更新する部分
屋根材・下葺き材
状態で判断する部分
野地板などの補修・増し張り・交換
先に確かめること
撤去範囲、既存材料の調査、下地補修の想定と追加費用の扱い。

一般的な違いを整理したものです。採用製品、既存屋根、下地の状態によって工事の構成は変わります。図や築年数だけで、適した工法を決めることはできません。

あわせて読む築20〜30年。屋根の次を考える。塗装・カバー・葺き替えの選び方と施工記録

03 / BEFORE YOU DECIDE

色より先に、
屋根の状態を見る。

色あせだけで、雨漏りや屋根の寿命は判断できません。逆に、きれいな表面でも、見えない層の状態まで保証されるわけではありません。

  • 屋根材:割れ・浮き・ずれ・剥離はないか。
  • 取り合い:棟・谷・壁際・軒先に問題はないか。
  • 下地:雨漏り跡や腐朽など、追加調査が必要な兆候はないか。

ご自身で屋根に上がらないでください。地上から分かる範囲を伝え、調査は専門業者へ依頼してください。

04 / QUESTIONS

よくある質問

スレート屋根は、塗装すれば雨漏りを防げますか?

塗装だけで雨漏り対策が完了するとは言えません。防水紙や棟・谷・壁との取り合いなど、原因となる箇所を確認し、必要な補修を行います。ケイミューもグラッサシリーズの資料で、雨漏りは再塗装では直らないと案内しています。

防水紙を新しくするには、葺き替えが必要ですか?

古い防水紙そのものを撤去して更新する場合は、上の屋根材を外す工事になります。一方、カバー工法では古い屋根を残して、その上に新しい下葺き材を施工する構成があります。下地の状態と適用条件で判断します。

築20〜30年なら、必ずカバー工法ですか?

一律ではありません。屋根全体の改修を検討するきっかけにはなりますが、材料・施工履歴・傷み方・雨漏り・今後の住まい方を合わせて考えます。下地の傷みが強い場合など、葺き替えや下地補修が必要になることがあります。

福井の雪が多い地域でも、同じ金属屋根を使えますか?

製品ごとに適用地域や積雪・勾配などの条件があります。「金属屋根ならどこでも同じ」ではありません。建物の所在地と形状を確認し、最新の施工要領に適合する材料・工法を選びます。

05 / SOURCES

根拠のある説明を、住まいの判断に。

編集・図解:雪國建装 / 情報確認:

メーカーの一次資料を参考に、屋根の基本構造と工事の違いを整理しました。特定製品の施工仕様を再現したものではなく、メーカー公式の制作・監修ページでもありません。

  1. 田島ルーフィング|安心できる下葺材屋根材と下葺き材の役割
  2. ケイミュー|カラーベスト グラッサシリーズ メンテナンスについて(PDF)再塗装と雨漏り・安全上の注意。対象製品の資料であり、すべてのスレートの仕様ではありません。
  3. アイジー工業|アイジールーフ 改修用施工説明書・2025年12月版(PDF)改修前の調査、下地・下葺き材と適用条件。製品固有の施工条件は最新資料を優先。
  4. ケイミュー|屋根のリフォーム塗り替え・重ね葺き・葺き替えの違い
  5. 住まいるダイヤル|屋根のけらば・各部位の名称棟・けらば・パラペットの位置と、端部の水切りの役割。図は転載せず、当社で模式化しています。
  6. トーコー|唐草金属屋根の唐草と軒先水切りの機能。呼び名・形状は採用製品によって異なります。
  7. 理研軽金属工業|笠木(かさぎ)とは?笠木の設置場所と防水層・下地の保護。笠木だけで防水が完結するわけではありません。

FUKUI / YUKIGUNI KENSOU

表面だけでなく、
屋根全体から考えます。

屋根材、築年数、補修の履歴。
分かる範囲からお聞かせください。

屋根のご相談・お見積り

雪國建装

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